アニマル・スピリット( animal spirits)は、ケインズが1936年の著作『雇用・利子および貨幣の一般理論』で用いた用語で、経済活動にしばしば見られる主観的で非合理的な動機や行動を指します。
ってのはさておき、今回はフジロックにも登場して話題となったVulfpeck(ヴォルフペック)のAnimal Spiritsについて紹介いたします。
アニマルってことでもしやと思い取り上げましたが
調べれば調べるほど
今回は
まったく猫に関係がない……
高らかに歌うセオ
手作り感満載、謎の直訳日本語が登場するPVです。
高らかに歌うセオ、というこのサムネイルですが、この人はリーダーのJack Strattonですね(笑)
これらの手作りPVを編集しているのも彼かと思われます。
Vulfpeckとは
大手レーベルとの契約なし、マネージャーなし、Instagramでの無料告知のみで、”世界一有名なアリーナ”と呼ばれるマディソン・スクエア・ガーデンを満員にしたファンク・バンドです。
いわゆるDIYバンドという、「すべてを自分たちで完結させるバンド」として作詞作曲、レコーディング、PV撮影編集、SNSによる宣伝、各種配信サイトでの配信など、すべて大手レーベルに頼らずに仲間内のみでやっているバンドです。
収益はほぼ、SpotifyとYouTubeからだと言われています。
メンバー
ライブでは入れ替わり立ち代わりで様々なメンバーがいますが、核となる正式メンバーはこちらの4人です。
ミシガン大学音楽学部で学んだ仲間で、彼らは大学内の芸術施設「Duderstadt Center」での演奏をきっかけに集まり、リズムセクションとして活動を開始しました。
ジャック・ストラットン(Jack Stratton)
担当:ドラム/キーボード/ギター
生年月日:1986年、87年生まれ?
特徴:
- バンドのリーダーでありプロデューサーであり、運営から録音編集、PVの撮影等やる「何でも屋」
- 日本語好き、フジロックでの「抹茶ヴァイブス」「最安無双」の法被を着ているのは彼
- Twitterでの日本語ツイートも彼によるものと思われる
ティオ・カッツマン(Theo Katzman)
担当:ボーカル/ドラム/ギター/キーボード
生年月日:1986年4月2日
特徴:
- 音楽一家の末っ子で父はジャズトランペッターのリー・カッツマン
- 彼が作曲し、歌った曲はポップで聞きやすくヒット作となることが多い
- ソロプロジェクトもあり、Vulfpeckに習ってDIYで運営しているようです
ジョー・ダート(Joe Dart)
担当:ベース
生年月日:1991年4月18日
特徴:
- 音楽一家で両親は家族でバンドを組むことを望んでいたらしく、8歳からベースを始めた
- ライブ中はサングラスをかけている
- Vulfpeckといえば彼のベースプレイというほどの腕前でスタープレーヤーである
- スターゆえのシグネチャーモデルが存在するが、Musicmanからの高額モデルの他、その廉価版であるSterlingからJoe Dart Bassとして399ドル(約6万円)で発売したモデルもある。
このシンプルな1ピックアップで1ボリュームのみの構成、私もほしい!
しかし、即完売!!
Joe自身もライブで使用しているそうです。
ウッディ・ゴス(Woody Goss)
担当:キーボード/カウベル
生年月日:1989年〜90年生まれ?
特徴:
- 物静かな性格で、Jackを支えるサイドマン
- 作曲能力も高く、「Fugue State」「Aunt Leslie」など、インスト系の中心人物
- バードウォッチングが趣味
- カウベルおじさん
準メンバー
正式メンバーとは言われていないものの、レコーディングからライブまでよく登場する方たち
| 名前 | 担当 | 備考 |
|---|
| Cory Wong | ギター | 超絶カッティング奏者。現在は自身のバンドも大人気。Vulfのライブで大活躍。 |
| Antwaun Stanley | ボーカル | ゴスペルとソウルをバックグラウンドに持つ、圧倒的な歌唱力。「1612」「Funky Duck」「Wait for the Moment」などで彼のボーカルが聴ける。 |
| Joey Dosik | サックス/ボーカル/ピアノ | ソウルフルなボーカル。ソロ作品も美しい。 |
| Charles Jones | キーボード/ボーカル | Antwaunと並ぶゲストボーカル陣。力強い歌声が魅力。 |
| Nate Smith | ドラム(ゲスト) | 世界的ジャズドラマー。Vulfライブにも数回登場。 |
Animal Spirits
この歌詞は「現実にはまだ出会ってない理想のふたり」が、もし出会ったら最高のハーモニー(音楽)になるというラブストーリー。
そしてその背景に、占星術や経済学の言葉を交えて、ロマンと知性、直感と理性の対話を軽やかに描いています。
This is a true love story song
これは本物のラブストーリーの歌
A triumph, and a Glory song
勝利と栄光をたたえる歌さ
With only one small caveat
ただし、ひとつだけ注意点がある
This one hasn’t happened yet
――まだ、これは起こっていないってこと
It’s not the strongest narrative
ドラマチックな話ってわけじゃないけど
But details aren’t imperative
細かいことはどうでもいい
What matters is the way it ends
大事なのは「どう終わるか」
They’ve got sixteen mutual friends
ふたりには共通の友だちが16人もいる
And she’s got Animal Spirits
彼女はアニマル・スピリッツを持ってる
And he’s got Heartfelt lyrics
彼は心からの言葉を綴る
Put them together and you can hear it
ふたりが合わされば、それが聴こえてくる
It’s the song everyone knows
みんなが知ってるあの歌になるんだ
(※以下繰り返し)
Now everyone seems unaware
でも、まわりのみんなは気づいていない
That these two are a destined pair
ふたりが運命で結ばれてることを
But I checked out their astral chart
占星術チャートを見てみたら、
This one is a work of art
これはまさに“芸術作品”だったよ
Now I know she reads astrology
彼女は星占いが好きで
And he can’t stand astrology
彼はそれが苦手だけど
But he’s quick with an apology
でも彼はすぐに謝るんだ
When he wisecracks the zodiac
星座の冗談を言っちゃったときも
Oh oh oh
And when the rising action rises
There is only one thing left, and that’s the climax
物語が盛り上がっていくとき、
残されるのはたったひとつ――クライマックスだけ
Twitter on your telly
テレビでTwitter
Ramen in your belly
お腹の中はラーメン
Economics, put it in my pocket
経済学、それをポケットに突っ込む
Milty, Marx and Maynard
ミルトン(フリードマン)、マルクス、ケインズ(Maynard Keynes)
Aries penny saver
牡羊座の節約家
Set a market order
成行注文を出して
Because I’m pretty sure I got this
――うまくいくって確信してるから
Boulder, Colorado
Take a break at Yaddo
コロラド州ボルダー
創作の聖地ヤドーでひと休み
Economics, put it in my pocket
経済学、それも懐に入れて
Milty, Marx and Maynard
Fairmount and Brainard
ミルトン、マルクス、ケインズ
フェアマウント通りとブレイナード
I can stay / You can stay, L.A.
僕はここにいるよ / 君もロスにいていいんだよ
補足
Animal Spirits:
元は経済用語(人間の感情的衝動)ですが、ここでは「恋愛への衝動」「本能的魅力」として使われています。
Heartfelt lyrics:
文字通り「心からの歌詞」。対比として、彼女の直感(animal spirits)に、彼の理性(歌詞)がある。
Milty, Marx and Maynard:
経済学界の三巨頭(ミルトン・フリードマン、カール・マルクス、ジョン・メイナード・ケインズ)を並べているのがVulfpeck流のジョーク。
最後に
いかがでしたでしょうか。
猫のねの字も出てきませんでしたね(笑)
いいのかこの記事……。
では、最後にあの伝説のマディソン・スクエア・ガーデンのライブの様子を貼り付けておきますので聞いてみてください。
最初のメンバー紹介後に始まる1曲目はAnimal Spiritsです。
フジロックのようにJackが歌うんか、と思わせておいてドラム叩きながらTheoが歌います。
また、誰よりもVulfpeckについて紹介しているのが、「Dr.ファンクシッテルー」さん。
あの法被は彼やそのファンたちからインタビューを受けてくれたJoeへのプレゼントのようです。
それでは、ご覧頂きましてありがとうございました。


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