猫、特に子猫の命に関わる重篤な疾患で発症から数日~1ヶ月以内に亡くなることも多い非常に致死性の高い疾患です。
不治の病(致死率99%)……と言われてきた病気です。
原因
FIPは一言でいうと、猫コロナウイルスが体内で変異して、全身に強い炎症を起こす病気です。
元はよくいる猫コロナウイルス(FCoV)で、糞便や鼻汁などを介して他の猫に伝染し、多くの猫が感染経験があるといわれています。
基本的には腸炎(下痢)くらいで終わります。
ただし、一部の猫で体内でウイルスが変異し、そのウイルスが免疫細胞(マクロファージ)に入り込み、免疫細胞が体中を移動、全身病になります。
変異したFIPウイルス自体は腸管内では増殖できないとされていて、それ自体が伝染することはないそうです。
変異
ウイルス側の偶然(コピーエラー)+猫側の条件(免疫・体質・環境)が重なって起こると考えられています。
そもそもウイルスは変異しやすく、また猫コロナウイルスはRNAウイルスという繁殖しやすいウイルスであり、増殖するたびに「コピーのミス」が起きやすいです。
猫の体内(特に腸)で増える回数が多いほど変異チャンスが増え、たくさん増殖すると変異が起きやすいわけです。
多頭飼いなどで「ウイルス量」が増えるとリスクが上がります。
変異が起きる確率は、感染している猫が多く、何度も感染・再感染という状態で上がります。
結果として、多頭飼育・保護猫環境でFIPが出やすくなります。

免疫・体質
同じウイルスを持ってても
- 変異しても免疫で抑え込める猫
- 抑え込めずFIPになる猫
がいます。
免疫が落ちてしまう原因としては以下が考えられています。
- 子猫(免疫が未熟)
- ストレス(引っ越し・新入り猫など)
- 手術、病気、栄養不良
- 寄生虫、他の感染症
また、体質や遺伝でFIPになりやすい猫がいる、というのも考えられています。
- 兄弟猫で発症が重なる
- 特定の血統で多い傾向
などが知られています。

症状
よくある初期症状としては以下のようなものがあります。
- 熱が続く(抗生剤が効きにくい)
- だるそう、寝てばかり
- 食欲が落ちる
- 体重が減る
- 貧血っぽい
また、FIPは大きく2タイプあります。

ウェットタイプ(滲出型)
- お腹や胸に黄色っぽい液体(腹水・胸水)がたまる
- お腹が膨れる、呼吸が苦しい
- 食欲不振、発熱、元気消失
ドライタイプ(非滲出型)
- 腹水などは少ない
- 代わりに臓器(腎臓・肝臓・脳・目など)に炎症の塊ができる
- 症状が多彩:体重減少、黄疸、神経症状(ふらつき/けいれん)、目の異常など
治療法
近年は GS-441524系 などの抗ウイルス治療で、治る可能性が大きく上がっています。
投与方法は2つで、ひとつは注射。
吸収が安定しやすく、重症例、食欲がない猫に使われやすいです。
もうひとつは内服(飲み薬)です。
継続しやすく、体調が安定してきたら移行されることもあります。
多くのケースで約84日(12週間)が基本の治療期間として語られます。
その後、薬を終えても再発がないか様子を見る「経過観察期間」が重要です。

最後に
FIPは単独検査で確定しにくい病気です。
PCRをしても「コロナがいる」は分かっても「FIP変異型」を確定しづらく、症状も他の病気に似ていることもあります。
じゃあ何を見て診断するのか、獣医さんは「総合判断」で診断することが多いです。
ということは、素人の我々にはもっと見分けがつかないということになりますので、特に子猫が体調が悪そうに感じたら獣医さんへ早めに相談に行きましょう。
ちなみにこれまでの画像は特にFIPとは関係ありません、うちの子たちは幸い発症したことはありまえんでした。
それでは、ご覧頂きましてありがとうございました。


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